徳島いちご 花芽分化と定植後の様子 

2025.11.05

2025年11月4日 現在の様子

こんにちは、徳島いちご担当の ” ざわ ” です。

10月頭に定植を終えてから約1か月が経過し、現在は出蕾しそうな株が増えてきたところです(下写真)。今頃開花まで進んでいればクリスマス頃の収穫ができましたが、いちごの花芽分化が遅れたことにより、定植も遅れたため、収穫開始は年末頃となりそうです。今回のブログでは、花芽分化~現在に至るまでの様子をお届けします。

 

花芽分化~定植

 窒素中断を開始してから約1か月後の9月23日、花芽検鏡を行いました。4株の花芽を確認しましたが、この時点では全て未分化でした。その後、10月2日に再度花芽検鏡を行ったところ、肥厚初期~中期くらいの膨らみを確認することができました。そこで10月3日から定植までの期間、給液をタンクミックスF&B(タンクミックスF&B 1セット/100 L)300倍希釈に変更し、窒素の供給を再開しました。定植は10月6日に行い、技術員や他の作物を担当する研究員の助けもあり、その日のうちに全ての株を定植することができました。

平均気温の推移

 今年の9月~10月上旬における平均気温の推移を、気象庁HPのデータを元にグラフにしました(下図、赤線は25℃のライン)。いちごの花芽分化は、平均気温15℃以下で日長に関わらず分化が促進され、平均気温25℃以下だと短日条件で分化が促進されます。平均気温25℃以上では栄養生長が促進されるため花芽は分化しません。

 この図を見ると、9月20日以降から平均気温が25℃下回る日が出てきており、連続して平均気温が25℃下回り始めたのは9月27日以降であったことが分かります。この気温データと弊社の花芽分化の時期は概ね一致していました。徳島の様な比較的温暖な地域で夜冷などの処理をせずに育苗した場合、9月中に分化期を迎えて定植することは非常に厳しいですね。

定植後1か月間の様子

 定植直後と翌日の回し水は水道水を与え、2日後~4日後はフルボディ1000倍希釈を与えました。イチゴの生育初期は、年内収量に影響を及ぼす大事な時期となります。新葉の展開を促し、収穫期までに十分な葉面積を確保するために、まず定植後の活着がスムーズに進むことが重要となってきます。フルボディは地下部の生育に効果を発揮する製品ですので、定植後の活着促進におすすめです。

 連休明けの10月14日には葉水が確認でき、新葉の展開が始まりました。10月30日に生育調査を実施した際には、定植してから新たに3~4枚の葉が展開していることが分かりました。いちごの生育の指標として、新葉の展開速度が1週間に1枚程度であれば順調であると言われていますので、活着はスムーズに進んだと思われます。

アグリオいちごマスターの生育診断結果と実際

 最後に、毎朝届くアグリオいちごマスターの診断メッセージを紹介します。下画像は11月4日に届いたメールのスクリーンショットです。今の状態と傾向がわかります。草丈が低いこと、葉色がやや薄いことに留意する必要がありますね。このメールでは、診断結果に対してどのような栽培管理をすべきかも教えてくれます。

 草丈が低いという診断通り、全体的に株が寝てきているので、まずは培地加温などの保温や電照を開始して生育を維持していきたいと思います。

次回は、アグリオいちごマスターの新機能(202510/1~実装)について紹介します。

つづく、、、。

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