養液土耕システムを担当しております ” カシ ” です。
今回は前回の養液土耕システムについてのブログに引き続き栽培終了時メンテナンスの冬季バージョンをお伝えいたします。
冬などの寒い時期はシステム内部に残った水が凍結して破損の原因となることがあります。
作物を育てておらずシステムを使用していない間は、ハウス内で暖房を行っていないため温度が下がり、灌水配管内の水が停滞しているため凍結しやすくなります。
そのため、システム内部の水を抜くなどの凍結対策を行う必要がありますので、通常の終了時メンテナンスと共に行ってください。
凍結による機器や灌水配管の破損は致命的な場合が多く、修理が困難になりやすいので対策を行い、スムーズに次作を取り掛かれるようにしましょう。
①液肥ポンプ
吸入ホースを液肥タンクから出した状態で液肥ポンプを2~3分間、単独で運転させましょう。
空回りさせることで液肥ポンプ内の液肥もしくは水を排出させます。
特にマグネットギヤポンプやカスケードポンプを使用されている方に被害が多いので、使われている方は確実に行ってください。
水を抜く代わりに不凍液を入れることもあります。
不凍液を入れた場合は、作の開始前に水を吸わせてポンプ内部をよく洗浄しましょう。
②混入機
灌水配管と接続するユニオン接手がある場合、それを外し主配管内の水を抜きましょう。
ユニオン接手にはOリングが付いていますので無くさない様にしてください。
圧力計は凍結すると破損しやすいので取り外して凍結しない場所(0℃以下にならない家屋など)に保管してください。
③灌水配管
ユニオン接手や排水用のバルブがあれば開放して配管内の水を抜いてください。
ある程度抜けていれば凍結時の膨張で配管が割れることが少なくなります。
バルブは内部に残った水が凍結して破損する場合があります。
完全に開けるか閉めてしまうとバルブ内部のいずれかに水が留まる状態になります。
内部の水が留まらない様に半開きの状態にしておきましょう。
また、地面に埋まっており水が残る箇所は凍結しづらいですが、凍結しないわけではありません。
できるだけ水を抜き、バルブを開放するなどして凍結による膨張を見越した逃げ道を作っておいた方が安心です。
灌水配管に断熱材を巻いている場合も凍結しないわけではありません。同様の対策をしておいた方が良いでしょう。
④電磁弁
フィルターを外して内部の水を抜いておきましょう。水が抜ければフィルターを締め直しましょう。
フィルターが外付けでは無い電磁弁はボルトを外すなど分解をして水を抜きましょう。
分解方法は電磁弁の取扱説明書などを参考に行ってください。
⑤灌水ポンプ
水抜きを外し内部の水を抜いてください。
外した部品は無くさない様に保管をするか水を抜き切った後に取り付けてください。
以上が冬季の栽培終了時メンテナンスについてでした。
凍結による破損は対策を行っていても少しの残り水から起こってしまう時もあります。
冬季の間にシステムを使用していない場合は、早めの動作確認を行い、破損個所が無いか確認しておくと栽培開始がスムーズになるでしょう。
冒頭でも書いてはいますがシステムを使用していない間は凍結をしやすい環境になります。
それに対し栽培中は作物があるためハウス内を暖かくしていますし、定期的に水が流れるため凍結もしづらくなります。
しかし、しないわけではなく、凍結によるトラブルも起こります。
次回はそんな冬季栽培中に起こりやすいトラブルと対策について書いていきたいと思います。
システムについて知りたいことやご意見がありましたらコメントをください。ブログの参考にさせていただきます。
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