養液土耕システム栽培終了時のメンテナンス

2025.08.07

養液土耕システムを担当しています ” カシ ” です。

今回は養液土耕システム栽培の終了時のメンテナンスについてお伝えしていきます。

栽培終了時に養液土耕システムのメンテナンスを行うことで部品の劣化を抑え、次作の開始時に起こりやすいトラブルの原因をあらかじめ対策する事ができます。

栽培中は肥料や水源の質などによりフィルター、電磁弁、点滴チューブなどが汚れてしまいます。
汚れは池水や川水を使用した泥汚れなどもありますが、システム内部に留まっている水分や肥料成分を利用してカビや細菌、藻類の塊(スライム)や肥料の結晶化(スケール)が発生してしまいます。

7年使用後の点滴チューブ内部


スライムは滞っている水に発生しやすく、栽培が終了した後の片付けや次作に向けての準備期間の数週間から数カ月、水を流さない間に発生し栽培の開始時にフィルターや点滴チューブの詰まり、電磁弁トラブルなどの原因に発展してしまいます。

栽培終了時にシステムのメンテナンスを行うことでスライムなどトラブルの原因を取り除き、次作の開始をスムーズに行えるようにしておきましょう。


①液肥ポンプの洗浄

液肥ポンプ内に液肥が残っているとスケールが発生し劣化の原因になる場合があります。
水を貯めたバケツに液肥ポンプの吸入ホースを入れ、液肥ポンプを動作させることで内部の液肥を水で流し洗浄します。

②点滴チューブの洗浄

点滴チューブ内には一作を通してのゴミや汚れが溜まります。
点滴チューブの末端を開けた状態で水を3~4分流してチューブ内のゴミ汚れを流し出して下さい。

その後点滴チューブ用の洗浄剤チューブクリーンを使用していただくと、より点滴チューブ内がきれいになり長持ちします。


③原水フィルター、逆止弁、電磁弁、液肥タンクの掃除

一作分の汚れが溜まっているため原水フィルターや逆止弁、電磁弁を分解して掃除を行ってください。
分解する際は機器それぞれの取扱説明書などを確認して正しい手順で作業を行いましょう。

細かい部品もありますので無くさないように小物入れなどを用意しておくと便利です。

電磁弁の掃除については過去ブログでも少し触れていますので是非ご覧ください。


④その他

機器などに付着した泥や肥料の結晶などの汚れは腐食の原因になりますので取り除いておきましょう。

落雷対策のため使用していない間は電源は切っておきましょう、混入機本体のスイッチもですが元の電源ブレーカから切るとより確実な対策になります。

水漏れ、部品の破損などがあれば次作までに修繕しておきましょう。手に負えない場合は購入店に相談してください。


以上が養液土耕栽培システムの栽培終了時のメンテナンスについてでした。
栽培開始時にシステムが動かず焦る事が無いように、栽培終了後にはメンテナンスをしっかり行っていきましょう。

ただ、システムを使用していない間でも機器は破損する可能性があり、自然災害の落雷もそうですが、気温低下からの凍結による故障がよく起こります。
次回は栽培終了後に越冬するための必要な凍結対策について書いていきたいと思います。

システムについて知りたい事やご意見がありましたらコメントをください。ブログの参考にさせていただきます。



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