2025年8月25日
徳島トマト担当の、‟にし”です。
前回はトマトハウス➀で発生した日焼け果について(徳島トマト 日焼け果発生(2025.06.27更新))お届けいたしました。
6月~7月に栽培試験が終了し、現在は着々と、次回の作付けへの準備を進めております。
今回は、撤去作業の今だからこそ観察しやすいトマトのある部位についてご紹介します。
栽培期間中はなかなか観察できませんが、撤去のときこそ、その状態を確認できるのが、“根”です。
撤去した株の根を水洗いし、その形状を確認してみました。
根腐れなども起こさず、白色のきれいな状態でした。
培地から抜いた状態なので、正確な値ではありませんが、地中深さがおおよそ20 cm、根の広がりがおおよそ10 cmくらいというところでしょうか。
トマトは双子葉類であり、根は大きく主根と側根から成っています。
・ 主根:種子が発芽した際に最初に伸びる太い根。深く張り、植物を支える役割が強い。
・ 側根:主根から分かれて伸びる細い根で、養水分の吸収の役割が強い。
根をよく観察してみると、確かに1本太い主根から無数の側根が伸びていることがわかります。
また、側根をさらによく見てみると、側根の表面には細かな毛のようなものが生えていることがわかります。
これは根毛といって、土壌との接触面積を最大化することによって、水分や養分を効率的に吸収させる役割があります。
こうして見ると、トマトの根には、より多くの養水分を吸収するために様々な工夫がされており、面白いですね。
根は生育期間の観察が難しいですが、地上部の生育・収量に非常に大きく関わってきますので、その状態について意識しておきたいところです。
根張りを確認する方法としては、掘り起こして目視で根の形状を観察したり、研究機関などでは、完全に土壌から根を分離し、乾物重を測る方法が用いられることもあります。
今回は簡易的に、ばねばかりを用いて、根を引き抜くときの抵抗を測定してみました。
しかし、根張りが良い場所はヤシガラ培地ごと持ち上がってしまい、上手くいかない箇所もありました。
根張りの確認方法については、もう少し検討が必要そうです。
根の健全な状態を維持し、トマトを元気に育てるため、日々研究に励みます。
つづく、、、
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