宮崎農場の”ウラ”です。
宮崎農場で行っているプロバイオポニックス栽培によるミニトマトと一季成りイチゴの状況をお伝えしたいと思います。
まずは、プロバイオポニックス栽培で育てているミニトマトに関してですが、今にも枯れそうなくらい生育状態が非常に悪いです。
生育状態が悪くなった原因は、以下のように考えております。
着果負担によって樹勢が低下する
↓
生育を良くするために施肥量を増やす
↓
施肥が過剰量となってしまい、根にバイオフィルムが形成される
↓
過剰に形成されたバイオフィルムによって、根が窒息する
↓
根から水や栄養を吸収できなくなる
↓
樹勢がさらに低下する
また、発達した根やバイオフィルムによって培養液の流れが阻害され、培養液がうまく循環できずにいたため溶存酸素量が低い状態が続いていました。そのため、ミニトマトのベッドをかさ上げし、培養液の流れを良くすることにしました。これによって培養液の流れが良くなり、溶存酸素量は著しく改善されたのですが、これまで培養液に浸かっていた根が露出するような形になってしまい、地上部が萎れてしまいました。このことが追い打ちをかけるような形になってしまい、極度な生育の悪化につながったと考えられます。
プロバイオポニックスでは作物の状態に加え培養液中の微生物にも気を配る必要があり、通常の化学肥料を使った栽培と比較して難易度が高いと思われます。今作は年末まではある程度順調に栽培管理ができていたのですが、ここにきて躓いてしまいました。失敗はしてしまいましたが、これを糧に今後の栽培に生かしたいと思います。
一季成りイチゴに関しては、2番果の最盛期を迎えており、その次の3番果の花も開花している状況です。
11月頃より開始していた電照は2月の中旬ごろに停止しています。また、宮崎では夜温が徐々に高くなってきているため、よっぽど強い寒波が来ない限りは保温カーテンは今後閉めない予定です。今後は気温が上昇し、暖かい季節になってくると思います。そうなると、果実糖度や果実硬度の低下、徒長などの発生が予測されます。弊社ではこの時期から、ホスプラスやカルハードといった資材の葉面散布を行っています。
ホスプラスは水溶性りん酸を31%(P2O5として)、水溶性カリウムを25%(K2Oとして)含み、リン酸は亜りん酸として配合されているため、通常のりん酸と比較して吸収されやすいです。ホスプラスに含まれるりん酸による糖度の向上、カリウムによる果実肥大を目的に散布を行います。
カルハードに関しては、カルシウム 8%(CaOとして11%)や糖類、有機酸といった成分を含んでいます。カルシウムには細胞を強化する機能があるため、気温が上昇による果実硬度の低下や、果皮がむけるのを予防する効果があります。ホスプラスとカルハードは2週間に1回、可能であれば1週間に1回は散布したいですね。イチゴの春先の糖度低下や徒長・過繫茂にはホスプラスを、果実硬度の上昇やチップバーン抑制にはカルハードを是非お試しください。
※プロバイオポニックスは国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の登録商標です。
つづく、、、
※名前とメールアドレスは公開されることはありません。