徳島トマト 定植と防除

2025.01.22

2025年1月22日

徳島トマト担当の ‟たに” です。

前回までのトマト試験(2024年8月~2025年1月)が終わり、新たなトマト苗を定植し、次の試験が始まりました。今作からは引き続きのトマトハウス②と、新たにトマトハウス③を担当することとなりました。

トマトハウス②

トマトハウス③

今回は、私が防除において意識していることについて、ご紹介したいと思います。

○生育初期は特に防除を徹底!

生育初期は植物体が小さく、病害虫の被害で致命的なダメージを受けることが多いです。例えば、タバココナジラミが媒介するトマト黄化葉巻病について、弊社ではトマト黄化葉巻病の耐病性を有した品種を栽培していますが、植物体が小さい場合、耐病性品種といえど耐え切れず、発病してしまいます。

また、生育初期は一度栽培が終わり、植物体が撤去され、病害虫がリセットされた後になります。そのため、リセット後の病害虫の発生がない状態をいかに継続するかが重要です。一度、病害虫が発生すると、それを0にすることは非常に手間がかかります。

○生育初期に使う殺菌剤は予防効果の高い剤を選択!

私は生育初期には【無機化合物 銅】、【ジチオカーバメート類及び類縁体】、【ビスグアニジン類】など作用機作別に分類されているFRACコードで【M:多作用点接触活性化合物】に該当するものを好んで散布しています。

これらの剤は植物表面に層を作り、病原菌が侵入するのを防ぐという効き方をするものが多く、まだ植物体に病原体が感染していない生育初期に特に有効です。また、病原菌の抵抗性発達リスクが低いとされていることも優れた点です。

一方で、効き方に関連し、これらの剤は植物体に汚れが残りやすいものがいくつかあります。生育初期であれば収穫する果実もないため、このデメリットも気にせず散布することができます。栽培期間が長いトマトなどの作物では、使用回数制限にゆとりを持てるよう、様々な剤を効果的に使うことを考えています。

では、実際に私が生育初期に使用した農薬ですが、

定植時:アクタラ粒剤5

 →一番厄介なコナジラミ対策のために、定植時にしかできず、植物体すみずみまで予防できる植穴処理をしました。

定植1週間後:アニキ乳剤、サンヨール

 →トマトハウス③では栽培を継続しているトマトがあるため、コナジラミのリセットができていません。そこで、より重点的にコナジラミを防除するために微小害虫に効果が高いアニキ乳剤を散布しました。

 →サンヨールは【M1 無機化合物 銅】に該当し、予防効果が高く、コナジラミにも効果があること、銅剤であるが汚れが少ないという点で散布しました。

サンヨール、よく効きそうな色をしていますね(^^)

前作では、致命的な病害虫の発生もなく栽培ができました。今作も引き続き気を引き締めて栽培管理をしていきます。

つづく、、、

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