プロバイオポニックス技術による作物の栽培②

2024.11.19

2024年11月18日

プロバイオポニックス担当の”のり”です。

第1回目の記事はプロバイオポニックスとはなんぞや??についてご説明させて頂きました。     そこで以降の記事ではプロバイオポニックス栽培の様子についてお話していこうと思います。 

徳島県鳴門市にある栽培研究センターでは、現在プロバイオポニックスによる葉菜類、ミニトマト、メロンの栽培を行っております。今回はそれぞれの状況について簡単にご紹介致します。

・葉菜類の栽培

今作は10/16よりリーフレタスの試験を開始しました。本来であれば9月半ばから開始予定でしたが、あまりにも暑くて試験が成立しない予感がしたため1か月後ろ倒しで定植を行いました。

試験区を5区(奥1列:化学肥料区 手前4列:プロバイオポニックス区)に分け、それぞれ栽培条件を変えて生育を比較していきます。

1か月経つとここまで大きくなります。半分くらいの大きさの時に10日程曇天が続いたせいで少々徒長気味となってしまいましたが、今のところ化学肥料区とプロバイオポニックス区との間で明確な生育差は無さそうです。                                       4つのプロバイオポニックス区においては、手前1列が本命だったのですが他3つと比べてあまり変わりはなく、もっと差が付いてほしかったというのが本音です(笑)

今週末には収穫調査を行う予定です。各区どのくらい新鮮重量に差が出てくるのか楽しみです!

・ミニトマトの栽培                                      

次にプロバイオポニックスによるミニトマトの栽培です。                      葉菜類よりも窒素要求量が格段に多く、栽培難易度の高い作物の一つです。            今作は8/28に定植し、各条件に区分けして栽培試験を開始しました。

栽培開始時はどの区も良好に生育していたものの、今年の夏は特に暑い(汗)            栽培条件が異なるため区によって様子は違いますが全体的にへたり気味です。。

そんななかでもしっかり実は付けています。

弊社では栽培技術だけではなく、独自処方のプロバイオポニックス専用肥料(有機質肥料)の研究も行っており、その肥料でも良好な生育がみられてきました。しかし今作からはさらに改良した肥料を使用したこともあってか、1つの果房に30-50個近く着果する様子が多くみられました。

現在は各調査も終わり次作に向けて耕水工程(水づくり)を行っています。            今作を通じてまた色々なことが分かってきましたので、それらを一つ一つ検証してより良いトマト栽培ができるようにしていきたいと考えてます!                                        

・メロンの栽培

最後にプロバイオポニックスによるメロンの栽培についてです。                 第1回目の投稿で説明したとおり、プロバイオポニックスは微生物に有機物(有機質肥料)を与え、それを分解させることで生じる “無機態窒素” を栄養源として作物を育てる栽培法です。この栽培法の難しいところの一つとして、微生物が分解できる有機物の量には限度があり、それを上回ると微生物がダメージを受けて分解が滞ってしまうことが挙げられます。したがって一度に追肥できる量が限られているため無機態窒素を多く必要とする作物の栽培はハードルが高いことが知られています。この課題に対して弊社では種々の検討を行い、一度に追肥できる量を増やせる方法を見出したことで窒素要求量の高いメロンの栽培もできるようになりました。

以下の2枚の写真は摘果作業中に撮影したものです。1枚目が化学肥料区(1株つる枯病で欠株となってしまいました。。)、2枚目がプロバイオポニックス区になります。プロバイオポニックス区でも化学肥料区と遜色のない生育がみられています。

現在はネット形成も終わり収穫を待つのみ!次回は収穫の様子をお伝えできればと考えています。

※プロバイオポニックスは国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の登録商標です。

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