2025年5月15日 徳島トマト担当の、‟にし”です。 前回はトマトハウス➀について、定植から収穫開始前までの管理について(徳島トマト 定植から収穫開始前までの管理(2025.3.27更新))お届けいたしました。 最近は気温が高く、トマトの果実肥大スピードも速くなったため、収穫作業に大忙しです。 さて今回は、トマトの果実肥大に大きく関わってくる、花の構造に注目してみました。 トマトの花 トマトの花と言えば、下の写真のような黄色の小さな花ですね。 黄色い花弁(花びら)の中央に円錐状に突出した部分がありますが、この中は一体どうなっているのでしょうか。 花柱・柱頭・子房 先ほどの花を1つ実験室に持ち帰り、円錐状の部分をピンセットではがしてみると、中央に黄緑色の細長い棒状の部位が確認できました。 これは花柱といい、先端の柱頭に花粉が付着することで、トマトは受粉をします。 さらに花柱の根元をよく見てみると、丸く膨らんでいる箇所がありました。 この丸い部分が子房であり、私たちが普段食べているトマトは、この子房が肥大して果実になったものです。 葯(やく) また、先ほど円錐状に見えていた箇所も、下の写真のように内側からよく見てみると、細長い袋のようになっているのがわかります。 細長い袋のような部屋(葯室)2つで1つの葯を形成しており、この中に花粉が含まれています。 トマトの受粉について トマトは一般に自家受粉をおこない、開花の際には、葯が開き花粉が放出されると同時に、花柱が伸長することで受粉をします。 このような受粉は、自然条件では開花から1日経つ頃に起こりますが、ハウス栽培では風による花の振動が不十分であり、受粉が十分に行われず、落花や奇形果の原因となることがあります。 そのため、多くのトマト生産現場では、マルハナバチの導入やホルモン処理などを実施し、着果を補助するような方法が取られているようです。 何気なく行っている授粉作業も、トマトの花の構造を勉強してみると、より身が入りますね。 つづく、、、