
養液土耕栽培システムを担当しております ” カシ ” です。
以前のブログでも少し触れていますが、今回は点滴チューブの洗浄についてとチューブクリーンの使用方法をお伝えしたいと思います。
点滴チューブは作物に水や肥料を届ける役割があり、詰まると水分や養分が届きづらくなり、思うような栽培ができなくなってしまいます。
定期的に点滴チューブの洗浄を行い、品質の良い作物を栽培しやすい環境にしていきましょう。

詰まりの原因
農業に用いる水は、地下水や河川、ため池の水を使用することが多くあり水質もさまざまです。
砂や泥が上がるもの、カルシウムや鉄分など微量要素が多く含まれているものなどもあり、それらが直接または肥料と反応をして点滴チューブの詰まりの原因となります。
また、有機質肥料などを使用している場合は、点滴チューブ内で微生物が繁殖しやすく、それらの塊が詰まる原因になりますので注意しましょう。
カビや細菌、藻類の塊などを「スライム」、肥料の結晶化を「スケール」と呼ぶこともあります。

詰まりやすい場所
同じ圃場内でも詰まりやすくなる場所があります。
生育の悪い場所は詰まっていることがありますので注意しましょう。
・点滴チューブの末端
潅水の際に詰まりの原因などが押し流されて溜まりやすくなります。
フラッシングバルブなどを取り付けることで詰まりの原因を溜まりにくくすることができます。
・低位部で水の溜まりやすい場所
潅水が終わった後に点滴チューブ内の水が畝のくぼ地などの低位部へ流れ込み、詰まりの原因も一緒に流れてきて詰まってしまいます。
できるだけ低位部ではなく末端に流れ込みやすくなるように畝をならし、こちらもフラッシングバルブなどを取り付けて詰まりの原因を溜まりにくくすると良いでしょう。
詰まりの対処
点滴チューブが詰まってしまった場合の対処は主に下記の3点になります。
・末端を開放してのフラッシング
点滴チューブの末端を開放して水を流し、詰まりの原因を流し出します。
一番簡単で作物への影響も少ない方法になりますが、すでに詰まっている穴への影響は少ないので効果は薄く、点滴チューブ末端が詰まり気味の場合に効果が出やすい方法になります。

・点滴チューブの交換
詰まっている点滴チューブを全体、もしくは部分的に新しい物に交換します。
一番確実に効果が出ますが交換の手間と費用がかかります。
一部を交換する際は同じ種類の点滴チューブを使用しなければ、潅水量にバラツキが出ますので注意が必要です。
・チューブクリーンを使用した洗浄
液肥混入機でチューブクリーンを流し、点滴チューブ内にこびりついたスライムやスケールを溶かし柔らかくして剥がし、最後に末端を開放して水で流し出します。
末端を開放してのフラッシングのみより効果が高く、すでに詰まっている穴にも効果があります。
点滴チューブの交換よりも手間も費用も掛からない方法です。
注意点として、洗浄液は植物が吸収しても害のない成分ですが、酸性の液を流すことになるので根を痛めることがあります。使用する時期は作物の無い定植前か栽培終了後が推奨されます。
また、泥や砂、には効果が無く、鉄分からくるサビには効果は薄いので、詰まりの原因を見てから使用する必要があります。

チューブクリーンの使用方法
使用時期は栽培前か栽培終了後をおすすめします。
特に栽培終了後に使用した方が、汚れが乾いていないのではがれやすくなります。
①点滴チューブの末端を開け水を流しチューブ内のゴミを流したのち末端を閉じます。
時間は1~2分以上、もしくは潅水を送っている配管の中が出切る程度の量を流してください。
配管内の大まかな水量は下記の表を参考にしてください。
点滴チューブは16Aの水量で計算してください。

②点滴チューブにチューブクリーンを100~500倍で薄めた洗浄液を満たします。
標準は300倍になります。300倍で使用する場合はチューブクリーン1kg(1袋)を4Lの水で溶かして5倍原液を作成、それを液肥混入機で60倍の希釈設定をして潅水します。
その際に流す水の量は点滴チューブの容量の3倍を目安に流すか、塩ビ配管内の水量を計算して点滴チューブの容量と足した量を流すようにしても良いです。
また、OATアグリオで取り扱っている液肥混入機「TTシリーズ」は液肥ポンプが2台備わっているので、120倍希釈で2台とも動かして混入することで、分間水量が多い圃場でも対応することができます。
「TTシリーズ」で対応できる倍率と分間水量の早見表も参考にしてください。
チューブクリーンを5倍に薄めて300倍の洗浄液を流す場合の表になります。

③点滴チューブに洗浄液を満たしたまま、12~24時間静置します。
この時間で点滴チューブ内にこびりついたスライムやスケールを溶かして、剥がれやすくします。
④点滴チューブの末端を開け水を流し、点滴チューブや配管内の洗浄液をゴミと共に洗い流します。
洗浄液を洗い流し切って終了です。
点滴チューブの末端は数本ずつ開けるようにすると、流れ出る水に勢いがつくのでゴミが流れ出ていきやすくなります。
上記がチューブクリーンの基本的な使用方法になります。
このほかにも大きい容器に水を入れチューブクリーンを溶かし、その洗浄液に点滴チューブを12~24時間、浸け置きしておく方法もあります。
圃場の状況などから使いやすい方法で使用してください。
また、2日連続で洗浄することでより効果が得られますので、汚れがひどい場合には試してみてください。
以上が点滴チューブの洗浄とチューブクリーンの使い方についてでした。
点滴チューブ内部の汚れですので目に見えづらく発見は遅れやすくなります。
生育にも影響が出てしまいますので気を付けたいところです。
1系統ごとに正常時の分間水量を書き記し、それを参考に点滴チューブの詰まり具合を確認すると良いかもしれません。
すでに数年使用しており正常な分間水量かわからない場合は、チューブクリーンで洗浄する前と後の分間水量を比べ、差がでているようでしたら洗浄後を正常な分間水量として書き記しておきましょう。
システムについて知りたいことやご意見がありましたらコメントをください。ブログの参考にさせていただきます。
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